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政治

「令和臨調」猛省と解散のすすめ

日本を駄目にする「愚物の集会」

2023年6月号

 設計ミスを認めず、正当化と美化を続けて修正を拒み、別のパーツに手をつけても、歪んだ建物しかできない。平成の世に「民間政治臨調」で政治改革の設計を誤った面々が、「令和臨調」で「先送りされた改革」のメニューを並べ立てているのも、それと似ている。大企業の幹部や一部の学者がメディアを巻き込んで煽った運動に社会全体が振り回された三十年前の「政治改革ブーム」を思わせる最近の動きに、当時の関係者は複雑な表情を隠せないでいる。
 令和臨調は「令和国民会議」の通称で、二〇二二年六月に発足した。キッコーマン取締役名誉会長の茂木友三郎、東京電力ホールディングス取締役会長の小林喜光、元東京大学総長の佐々木毅、日本郵政社長の増田寬也が共同代表に名を連ねる。茂木や佐々木をはじめ中心メンバーには、一九九二年発足の「政治改革推進協議会」(民間政治臨調)や、これを九九年に衣替えした「新しい日本をつくる国民会議」(二十一世紀臨調)に関わった顔ぶれが目立つ。
 いずれも、公益財団法人・日本生産性本部や、その前身の組織が事務局を担ってきた。二〇一七年に同本部理事長に昇格した前田和敬は、民間政治臨調でも二・・・