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政治

安倍派改め「萩生田・世耕派」への難路

分裂すらできない愚鈍な最大派閥

2023年6月号

 団結すれば立ち、分裂すれば倒れる―。古代ギリシアの寓話作家イソップの言葉だ。この言葉に魅入られたように立ち往生を続けるのが自民党最大派閥、安倍派(清和政策研究会)。会長だった安倍晋三元首相の死去以降、後任会長が決められないまま十カ月以上経った。安倍が生前、限界と戒めていた所属議員百人にも到達し、第二派閥麻生派(五十五人)の倍近くの勢力を擁するようになった。巨大派閥はどこに向かうのか。
 五月十六日に開かれた安倍派のパーティーが後任会長を決める一つの節目とみられていた。かつての領袖で、今なお派に影響力を持つ森喜朗元首相が四月十六日付の北國新聞のインタビューで「誰が挨拶するのか、派閥の代表を決める一つのめどではないか」と語っていたからだ。
 現在の安倍派は塩谷立、下村博文両会長代理に加え、松野博一官房長官、髙木毅国対委員長、西村康稔経済産業相、萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長の「五人組」と呼ばれる有力幹部による集団指導体制だ。この中から次期会長が選ばれるというのは衆目の一致するところだ。

「二人は対等の関係」・・・

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