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台湾総統選を襲う 中国の「謀略」

親中派支援「認知戦」の新手法

2023年6月号

 台湾の最大野党、中国国民党は次期総統選挙の公認候補を侯友宜氏に指名した。与党、民主進歩党は頼清徳副総統、第二野党の台湾民衆党は柯文哲前台北市長の擁立をすでに決めており、主要三政党の候補が出そろった。来年一月十三日に投開票が行われる総統選の戦いはこれから本格化するなか、中国による選挙介入はすでに始まっている。資金投入はもちろん、ウクライナ問題を持ち出しての情報操作や、買収まがいのネット利用など、「認知戦」といわれる手法が巧妙化している。
 米中の対立がますます先鋭化するなか、台湾の次期総統選は「米中の代理戦争」といわれる。すでに出馬を表明した三候補のうち、頼氏は親米派、侯氏と柯氏は親中派とみられている。中国当局は、より当選する可能性が高い侯氏への支援を決めたようだ。
 台湾の大手テレビ、TVBSは侯氏指名発表があった五月十七日から二日後、世論調査結果を発表した。侯氏の支持率は三〇%、頼氏は二七%、柯氏は二三%と、侯氏がいきなりトップに躍り出た。それまでに台湾メディアが行った各種世論調査では、頼氏の支持率はほかの候補を抑えて、一位を維持していたが、侯氏に逆転された。{・・・

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