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米最高裁判事たちの 「腐敗と乱行」

支持率史上最低の「伏魔殿」

2023年8月号

 米国の最高裁判所判事の行動に厳しい目が向けられている。自らが扱う裁判の当事者から、豪華接待をされたり、特別な便宜を受けたりしたケースが、次々と明るみに出ている。
 最高裁判事でなければ、刑事訴追の対象になりかねない例もある。米国の世論調査では、最高裁に対する国民の支持率は、史上最低水準に落ち込んでいる。
 南米アルゼンチンと言えば、国際金融業界では「債務危機」の記憶が生々しい。二十世紀末にカネを借りまくって、二十一世紀の幕が開けると間もなく債務不履行に陥った。アルゼンチン国債を買った金融機関や投資家は、投げ売りを迫られた。
 ヘッジファンド「エリオット・インベストメント・マネジメント」(以下エリオット社)の創始者、
ポール・エリオット・シンガー氏は、ほとんどの投資家とは逆に、商機を見出した。買い手がつかないアルゼンチン国債を、「超」がつく格安で買いまくったのだ。
 シンガー氏には戦略があった。米国の裁判所で、アルゼンチン政府に支払い義務があるとの判決が下されれば、同国政府もなにがしかの支払いを迫られるだろう。
 シンガー氏は・・・

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