まさに、暗闇の中の一筋の光明だ。昨年三月から十五カ月連続で貿易赤字を記録した韓国。七月十日までの今年の累積貿易赤字額が二百八十七億四千百万ドル（約四兆円）にも達するなか、孤軍奮闘しているのが防衛産業（Ｋディフェンス）だ。二〇〇一年にわずか一億四千万ドルだった輸出額は二一年に七十二億五千万ドルまで急成長した。韓国政府は今年の輸出額は二百億ドルを突破すると見込んでいる。
　国際的なシェアも急伸している。ストックホルム国際平和研究所の資料によると、一七～二一年の国別武器輸出シェアで韓国は約三％。世界第八位だ。首位の米国（三九％）、二位のロシア（一九％）、三位のフランス（一一％）は別格として、シェア三～五％台の中独伊英の四カ国を猛追し、いずれ世界第四位に躍り出そうだ。
　韓国防衛産業の鼻息の荒さを十分に感じたのが、六月に釜山で開かれた国際海洋防衛産業展だ。海軍の装備品の展示会で、目を引いたのが、HD現代重工業が展示した正規空母とハンファオーシャン（旧・大宇造船海洋）による潜水艦の模型だった。
　韓国では、文在寅政権が垂直離着陸機（ＶＴＯＬ）を搭載する軽空母の導入・・・