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西アフリカ「イスラム過激派」の隆盛

米中露「利権抗争」の暗い裏側

2023年9月号

 政変の絶えない西アフリカで、アルカイダとISが熾烈な権力闘争を繰り広げている。
 西アフリカはイスラム過激派にとって、食料、医薬品、武器などの重要物資の供給ルートだ。
 特にマリとニジェール、ブルキナファソが重なる国境地域は「死の三角地帯」として恐れられ、麻薬や金塊などの密輸ルートとして、南米とアラビア半島や欧州、イランを繋ぐ重要な拠点となっている。
 以前、西アフリカは、アルカイダの主要な勢力圏だったが、最近では中東から逃れてきたISの残党が西アフリカの地元の犯罪組織と結託して、影響力の拡大を目論んでいる。
 アルカイダとISは主導権を巡って激しい殺し合いを繰り広げ、西アフリカに新たな活動の聖域を作ろうと暗躍している。

ISの急成長

 エジプトの過激主義と戦うアズハル監視団によると、昨年九月以降、アフリカでのテロ活動は倍増し、九月だけでも五十四件の攻撃が確認されている。
 同監視団は、こうした攻撃の背景には「アルカイダとISが主導権を争い、資金源を獲得する・・・

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