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米大統領選で「新星」は現れないのか

不安だけの「老人vs被告」再戦

2023年10月号

 来年十一月の米大統領選が、一年以上も前から混迷の様相を強めている。通常ならば野党側の候補者は全く分からない時期だが、現時点ではドナルド・トランプ前大統領が、共和党支持層の間で本命視されている。その一方で、前大統領は九十一件の罪状で起訴される身で、来年の選挙イヤーでは、重罪での有罪判決ラッシュも見込まれる。
 迎え撃つ現職、ジョー・バイデン大統領は、肉体的衰えを示す姿が見られるようになった。十一月には八十一歳になり、高齢への懸念は無党派層にも広がる。国民の四分の三が「再選に挑むべきではない」と見ている。九月には、息子ハンター氏が違法な銃所持などで起訴され、大統領弾劾に向けた調査が始まった。
 双方が重大な法的問題を抱えるのに、共和党内ではトランプ氏が、民主党内ではバイデン氏が、それぞれ最有力の候補者だ。民主主義大国の米国で、なぜ「望まれない候補者」同士が戦うことになるのだろうか。

起訴で跳ね上がった支持率

 八月二十三日に行われた共和党候補による第一回候補者討論会。トランプ候補が不参加だっ・・・

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