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政治

秋解散狙う岸田の「使い捨て人事」

《政界スキャン》

2023年10月号

 先月号で予測した「木原誠二官房副長官退任必至」は当たり、「萩生田光一官房長官有力」はあいにく外れたが、マスコミの検証報道によれば、岸田文雄首相は萩生田官房長官起用を検討していたというから、惜しかった。
 内幕を明かせば、木原氏は﹃週刊文春﹄報道を巡って日本弁護士連合会に人権救済の申し立てを行った七月下旬には自ら辞任を申し出て、岸田氏も内諾していた。ぎりぎりまで慰留していたというのは取り繕いである。官邸を離れても自民党幹事長代理兼政調会長特別補佐という特別待遇に横滑りし、引き続き首相の側近ナンバーワンとして重用される。岸田氏が「ポスト岸田」候補として警戒する茂木敏充幹事長の「監視役」と同時に、年末までの補正予算・来年度本予算編成で党側の取りまとめの要となる萩生田政調会長と官邸の「パイプ役」を兼ねるので、政権のキーマンであり続けることに変わりはない。﹃週刊文春﹄の一時十人近くいた「木原取材班」も解散したというから、体よく逃げ切ったというべきだ。むしろ「ワルだが手放せない使える男」という政界でのハクが付いたくらいだ。
 萩生田氏も官邸入りを逃したとはいえ、「幻の官房長官・・・

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