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経済

野村総研が「新NISA」でボロ儲け

口座管理料「独占」を許す金融庁

2023年11月号

 年が明けるといよいよ、新NISAがスタートする。岸田文雄政権が二〇二二年に打ち出した「資産所得倍増プラン」の始動と言ってもいい。すでに証券業界、銀行業界などが口座獲得に向けたキャンペーン合戦を派手に繰り広げている。まさに「NISA祭り」である。だがその一方で、多くの証券会社の怒りが爆発寸前となっている。その矛先は野村総合研究所の独占的な「ボロ儲けビジネス」に向けられている。
 矢継ぎ早に生み出されてきたNISA専用投信の多くは、販売手数料がゼロのノーロード型である。そのうえに、顧客の保有に応じて得られる信託報酬率も低下バイアスが急激に増している。証券関係者は「歴史的薄利なビジネスである」と口を揃える。
 それでも、積み立て投資などで顧客資産が増え続ければ、それに応じて資産から得られる信託報酬が増えるだろう。それは「十年超の運用期間を経たうえでの話」(証券関係者)であり、各社は目先の採算を度外視してもNISA口座の獲得に邁進している。
 そんな状況で証券会社が怒り狂っているのは、NISA口座に係る野村総研のシステム費用に関してである。ある中堅証券のトップは・・・

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