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ガザ紛争の黒幕 「カタール」

中東混乱を煽る「異形の小国」

2023年12月号

 新たな中東再編の主導権をめぐって、中東各国が静かに動き始めている。
 次なる主役は、サウジアラビアではなくカタールだ。
 水面下で進んでいたサウジとイスラエルの国交正常化交渉は、ハマスのイスラエル攻撃で水泡に帰した。
 カタールはハマスの人質の解放に尽力し、平和の使者として、国際社会での影響力を強めている。しかし、その裏では、中東での影響力における優劣を争って、血みどろの駆け引きが行われているようだ。

「解決など望んでいない」

 カタールが置かれている立場は奇妙だ。
 アフガニスタンで政権を奪取したタリバーンは二〇一三年以来、カタールに事務所を公に開設している。シリアに置かれていたはずのハマスの事務所は、一一年のアラブの春で内戦が深刻化したため、一二年からカタールに海外政治事務所を移動させている。国際社会からテロリスト、または過激派組織と非難を受ける勢力と連絡を保ちながら、特にカタール自身が国際社会から大きな非難を浴びることはない。
 ハマスとの人質交渉では・・・

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