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連載

現代史の言霊  第68話

米ソ首脳会談 (ニューヨーク・一九八八年)
伊熊 幹雄

2023年12月号

レーガン大統領の業績に積み上げをしたい
ジョージ・ブッシュ(米副大統領・当時)

 全世界が注目する「サミット会談」とは今、米国のジョー・バイデン大統領と中国の習近平共産党総書記の首脳会談を指す。世界政治の主要動向で、両首脳に触れないことはほとんどない。
 三十五年前は、米国とソ連であった。当時のロナルド・レーガン大統領は、自由主義陣営の盟主であり、共産圏を大きく変えつつあったミハイル・ゴルバチョフ・ソ連共産党書記長との首脳会談は、国際政治最大のイベントだった。
 レーガン大統領は一九八一年に就任して以後、一期目の四年間に一度もソ連指導者とのサミットを行わなかった。それが、ゴルバチョフとの間では三年余りで五度も会っている。今なお「保守主義の偶像(アイコン)」とされるレーガンは、自分より二十歳若いゴルバチョフにほれ込んでしまった。

「指導者が次々と死んでいく」

 レーガンとゴルバチョフ。二人の関係を象徴する写真は、数多く残されて・・・

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