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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》北富士演習場

自衛隊と米軍「対中作戦」の最前線

2023年12月号

 ウクライナとガザで戦火が広がるなか、東アジアの安全保障にも不安の目が向けられている。中国による台湾侵攻だ。中国の習近平主席の三期目が終了する二〇二七年が「危機の年」だとする指摘もある。中国で反スパイ法が改正・強化されたこともあり、日米などからは「北京で全く情報が取れない」という悲鳴が上がる。
 中国の動きが読めないなか、日米が果たして危機に対応できるのかという声も上がる。日本は昨年末に国家安全保障戦略を改定。防衛費の大幅増も決めた。米巡航ミサイル「トマホーク」の取得も一年前倒しし、二五年度からにした。
 突貫工事で防衛力を強化しているが、不安は尽きない。一九五四年に創設された自衛隊は一度も実戦を経験していない。本当に中国軍に対抗できる実力を持っているのか、南西諸島に戦火が拡大したとき、本当に住民を守れるのか。
 防衛省・自衛隊が何もしていないわけではない。「反戦平和」を訴える声が根強い日本で、あえて積極的な広報を避けながら、爪を研いでいる場所が富士山北麓にある。

米海兵隊を鍛え上げた場所
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