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ロシアを蝕む「帰還兵問題」

戦争長期化でアフガンの「二の舞」

2024年2月号

 ロシア軍の侵攻から2年になるウクライナ戦争で、戦場から帰還した兵士による凶悪犯罪がロシア国内を震撼させている。戦場でトラウマとなる経験をした兵士が、地元に戻って殺人やレイプ、暴力事件を起こし、治安を悪化させた。
 ロシアでは、推定10万人の元囚人が刑務所から動員され、半年後に無罪放免となるものの再度犯罪を犯すケースも急増している。
 クレムリンは帰還兵の犯罪を報道しないよう命じており、全体像は不明だ。
 しかし、ソ連時代末期、10年に及んだアフガニスタン侵攻の帰還兵が社会を蝕んだ悪夢が今回も繰り返されつつある。
 帰還兵らはアフガン戦争と同様、前線の実態や戦争犯罪を口コミで伝えているとみられ、「ウクライナ戦後」がプーチン体制を揺るがしかねない。
 ラトビアに拠点を移した反政府系メディア「ノバヤ・ガゼータ欧州」(1月10日付)は、オープンソースの情報を基に、「帰還兵が精神的な打撃から、より攻撃的になり、凶悪犯罪が増加している」と報じた。

「戦後」の荒廃は必至

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