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経済

ENEOS「次期社長」は誰がやる

性暴力払拭で「お飾り」女性登用か

2024年2月号

「セクハラとパワハラは日石の〝文化〟だろ。文化の否定を、日石出身者にできるのか!」
 ENEOSホールディングス(エネオスHD)の社長・齊藤猛が社内の懇親会で酩酊した挙げ句、同席の女性に抱きついた破廉恥行為により、昨年12月19日に解任されてから1カ月半―。次期社長の人事は五里霧中のまま、社内外には冗談ともつかない悲憤が渦巻く。
 相次ぐ合併でガソリン販売シェア50%、従業員三・四万人に膨れ上がった石油元売り最大手には今なお、日本石油時代の男尊女卑の風土が根強く残る。
 その体現者が杉森務―。すなわち〝販売のドン〟と呼ばれた日石出身のHD前会長であり、子飼いの齊藤を社長指名した張本人だ。が、2022年8月、女性絡みの事件で辞任したことは周知の通り。『週刊新潮』が報じたその顚末は衝撃的だった。沖縄県の特約店首脳と訪れた那覇市の高級クラブで、ホステスを半裸にしたうえ、肋骨を折る傷害まで負わせたという。HD傘下の元売り会社、エネオスのある幹部は当時を振り返る。
「杉森さんの事件が今回の社長解任の伏線と言ってもいい。齊藤氏は風土の改革どころか、事件の隠蔽・・・

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