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WORLD

ISテロ組織「膨張」の恐怖

「モスクワの次」はどこか

2024年5月号

 アフガニスタンを拠点に全世界にテロの脅威が再び忍び寄ろうとしている。
 ロシアのモスクワ郊外で3月22日に起きたテロ攻撃では、144人の命が奪われた。プーチン大統領はこのテロをウクライナの犯行と結びつけようとしたが、実行犯はアフガニスタンで急成長している「ホラーサーン州のイスラム国」(ISKP)のタジキスタン国籍のメンバーだった。
 なぜISKPは、ロシアを標的にしたのか。そして、貧しいアフガニスタンの地でどうしてこれほどまでに動きを活発化させているのだろうか。ISKP暗躍の背後には、大国の卑劣な思惑が動いていた。
 ロシアでのテロ攻撃は、意表を突くものだった。ただ、報道ではあまり公にはなっていないが、ISKPはここ数年、ロシアを標的にプロパガンダを繰り返し展開していた。ロシアのシリア介入、アフリカでのワグネルの活動、そしてタリバンとの関係強化―。十字軍のアメリカ、共産主義の中国と並べて、ロシアを「東十字軍」と呼び、イスラムの祝祭の説教で、「プーチンとロシア人の心に恐怖を植え付け」「車やナイフで殺害する」よう指示していた。そして、ウクライナ戦争でモスクワ・・・

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