西風 516
暗雲漂う広島県有地の再開発
2024年5月号
広島市西区といえば、全国にその名が知られる「オタフクソース」の本社所在地だ。
県民にとって枢要なる地区で今、大規模な県有地を舞台とする民間事業が暗礁に乗り上げている。広島市西区の約10.5ヘクタールの商業施設跡地に、3年後に開業を目指している大規模モビリティ施設だ。トヨタ自動車のレース用部品などを手がけるトムスを代表に計4社が事業予定者として構成されている。定期借地権契約の満了に伴い事業案を募集したところ、2022年にトムスが選定された。当初は地元の広島トヨペットやマツダなども参加し、盛り上がりを見せていたが、本業の経営状況などを理由に2社が離脱したところから不穏な気配が立ち込め始めた。
「もっともらしい離脱の理由を語っているが、本音は事業計画の採算性の不透明さが原因」と関係者はささやく。具体的な人件費や材料費の積算や収益の見通しが甘すぎるというわけだ。計画に前のめりだった地元政財界も、ひとたび雲行きが怪しくなったとわかると手のひらを返した。
「昨年12月にお台場にオープンしたトムスのサーキット施設ですら評判は散々で、集客はいまひとつ。あちらは5年だが・・・
県民にとって枢要なる地区で今、大規模な県有地を舞台とする民間事業が暗礁に乗り上げている。広島市西区の約10.5ヘクタールの商業施設跡地に、3年後に開業を目指している大規模モビリティ施設だ。トヨタ自動車のレース用部品などを手がけるトムスを代表に計4社が事業予定者として構成されている。定期借地権契約の満了に伴い事業案を募集したところ、2022年にトムスが選定された。当初は地元の広島トヨペットやマツダなども参加し、盛り上がりを見せていたが、本業の経営状況などを理由に2社が離脱したところから不穏な気配が立ち込め始めた。
「もっともらしい離脱の理由を語っているが、本音は事業計画の採算性の不透明さが原因」と関係者はささやく。具体的な人件費や材料費の積算や収益の見通しが甘すぎるというわけだ。計画に前のめりだった地元政財界も、ひとたび雲行きが怪しくなったとわかると手のひらを返した。
「昨年12月にお台場にオープンしたトムスのサーキット施設ですら評判は散々で、集客はいまひとつ。あちらは5年だが・・・