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政治

菅は「石破」を担げるか

優柔なる「打倒岸田」の成算

2024年5月号

 岸田政権の命運を握るとされていた4月28日の衆院3補欠選挙は厳しい結果に終わった。ゴールデンウイーク明け以降の自民党内は「ポスト岸田」を睨み一気に流動化する可能性をはらむ。「今後の展開は菅義偉前首相がどう動くか次第だ」(閣僚経験者)。党内は悲主流派に甘んじる菅の動向に注視する。一時は体調不良も伝えられていたが、大乱前夜の様相に「勝負師」(菅側近)の血が騒ぐのか活気を取り戻している。
「岸田文雄首相は6月に解散・総選挙をやりたがっているが、今やっても勝てない。選挙を止める方法はいくらでもある」。こう怪気炎を上げるなど夜の会合でもすっかり滑舌が良くなり、体調のバロメーターとされる歩行スピードも2020年9月に首相就任した当初のような速さに回復した。
 菅が強力に推進した「日本版ライドシェア」が4月8日の東京都を皮切りにスタート。同月15日には首相在任中に決断した東京電力福島第一原発の処理水放出の現場を視察するなど自らの「成果」の発信に躍起だ。岸田への対抗心の表れにほかならない。
 岸田の訪米直後の世論調査で内閣支持率がやや回復したが、20%台の「危険水域」に・・・

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