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経済

米国「超放漫財政」の末路

「金利・為替・株価」急変もありうる

2024年5月号

 想定外に経済が強い場面では、「この風は、一体どこから吹いているのか」を問わなければならない。誰かが借金を増やさない限り経済は成長しない。今は誰が借金しているのか。答えは明白だ。米議会予算局(CBO)によれば今会計年度上半期(10月~3月)の財政支出総額は前年同期比6%増。支出増加、債務増加、金利上昇。利払い費は過去3年で倍増した。米政府「債務バブル」の狂気をみていこう。
 財政支出ではメディケア(同10%増)や社会保障給付(同9%増)の伸びが目立った。結果としての利払いは前年同期比43%の急膨張で4400億ドルに達した。
 これは防衛費4120億ドルを上回る深刻なものだ。有事レベルのインパクトといってよい。
 バンク・オブ・アメリカの試算では「今年中に政策金利を1.5%引き下げても米政府の利払いは年間1.2兆ドルに達する。仮に利下げが全くない場合、1.6兆ドルに達する」という。

金融危機の震源地になるリスク

 米国財政の過剰支出は世界に様々な影響を与えている。
 国際・・・

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