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経済

セブン&アイに 「幻の株主提案」

「ヨーカ堂」巡る秘された攻防

2024年5月号

 「スーパーストア事業を連結から外すことに賛同します」「(セブン-イレブンとスーパーストア事業を分離することを含む)戦略委員会の提言に賛同します」「定時株主総会における取締役候補者に対して賛成票を投じます」。アクティビストとして知られる米バリューアクト・キャピタルは4月18日、こんな声明文を出した。
 1週間ほど遡る4月10日、セブン&アイ・ホールディングスは、不振のイトーヨーカ堂などスーパー事業について新規株式公開(IPO)を検討すると発表した。これまでずっと拒んできた外部資本の注入に向けた検討を開始、さらにいずれ連結対象から外す可能性もあるという。
 また同月18日には、5月の定時株主総会で決議する取締役候補者を発表すると同時に、社外取締役のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏が井阪隆一社長に代わって取締役会議長に就くことも明らかにした。経営と執行をきちんと分離することになる。冒頭のバリューアクトの声明は、こうしたセブン&アイの動きに対して発せられたものだ。
 バリューアクトとセブン&アイは2023年5月の定時株主総会前、バリューアクトが井阪社長の退任を求・・・

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