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経済

《地方金融の研究》肥後銀行

半導体バブル「台湾依存」の狂乱

2024年5月号

 肥後の台湾かぶれか、玉山の九州/熊本酔いか―。地銀関係者の間では半ばこう揶揄する向きも少なくない。
 九州フィナンシャルグループ(FG)傘下の肥後銀行が台湾関連ビジネスへの傾斜姿勢を強めている。一方これに〝共鳴〟する形で対日進出に前のめりになっているのが、台湾の玉山フィナンシャルホールディングス(FH)中核、玉山銀行だ。
 昨年6月に肥後銀が台北市に19年ぶりとなる海外拠点「台北駐在員事務所」を開設すると、玉山銀は同9月、福岡市に東京支店に次ぐ日本国内2店目の営業店「福岡支店」をオープンさせた。玉山銀は同七月から台湾で熊本県のPRマスコットキャラクター「くまモン」のイラストが入ったクレジットカードまで発行。供給枚数は「今年1月までで10万枚を突破した」(関係者)という。
 そんな両行が資本面でも手を組んだのは今年4月。M&A仲介大手の日本M&Aセンターホールディングス(HD)とも提携して、共同出資のM&A・事業承継助言・仲介の新会社「九州M&Aアドバイザーズ」を福岡市に立ち上げたのだ。同様の会社は地銀各行とも新設が相次いでいる。ただ外国資本を取り込んで発・・・

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