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経済

企業コンサル「断捨離」のすすめ

無駄な高額報酬「有効活用」の道

2024年5月号

企業戦略、マーケティング、ものづくり、人事、DX、M&A、セキュリティまで多種多様なコンサルタントが大手企業だけでなく、中小、零細企業にまで入り込むコンサル百花繚乱の時代になった。国内のコンサル事業の売上規模は昨年、2兆円を突破したといわれる。社内に知見のない新分野が広がる一方、地政学リスクなど事業環境の不透明性が高まっていることが追い風になっている。ただ、コンサルが企業の払う対価に見合う付加価値を与えられているかは疑問だ。日本企業は粗製濫造のコンサル依存から卒業し、社内人材をしっかり育てるべき時を迎えている。
「提案書をテーブルに叩きつけ、『ふざけるんじゃない』と怒鳴りつけてやりましたよ」
ある地方メーカーの経営企画担当役員は今も怒りが収まらない様子でこう語る。新規事業の市場参入プランについて東京の大手コンサル会社と年間1億円で契約し、その中間報告を受け取った時の出来事だ。
内容はその役員が2週間前に東京で参加した会計系のコンサル会社のセミナー資料とほぼ同じで、企業名とターゲットとする商品や顧客特性のみが書き換えられ、提案されたサービス名称は既に他社が別・・・

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