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社会・文化

「売国」デジタル庁は解体せよ

アマゾン盲従「政官民」の癒着

2024年5月号

デジタル庁の4月1日付の幹部布陣をみたIT関係者は、一様に怨嗟の声を上げた。
「向井氏はいつまで居座るのか。発足から2年半、もういいだろ」
同庁参与・向井治紀―。財務官僚として早くから番号制度に関わり、同庁の前身である内閣官房IT総合戦略室の室長代理時代には〝ミスター・マイナンバー〟の異名を取った人物だ。2021年9月の同庁発足以来、参与でありながら事務方人事を牛耳ってきた。というより、初代デジタル相・平井卓也の側近と言った方が分かりやすいだろう。
向井が居座る限り、デジタル庁は平井の呪縛から逃れられない。恣意的な組織運営への反発は強く、あるITコンサルは嘆息する。
「日本のガバクラはもはやアマゾンの独占だ。行政の機微情報は米国へ筒抜けになる」
ガバメントクラウド、通称〝ガバクラ〟―。中央省庁と地方自治体を連携する行政DX(デジタル変革)の中核プラットフォームの開発が危機的状況にある。連携は遅々として進まず、既存システムからの移行に巨費を投じても25年度末の運用開始は絶望的。何より、基盤となるクラウドサービスの選定に大きな疑義があるのだ・・・

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