Book Reviewing Globe 487
トランプは台湾をどうするか
2024年12月号
トランプ第2次政権の登場で、世界の地政学地図は、ウクライナ、中東、東アジアのすべてで激しく変容することになるだろう。最大の鬼門は台湾かもしれない。
米国の台湾に対する「戦略的曖昧さ」、中国の「戦略的忍耐」、そして台湾の独立不宣言がこれまで台湾の平和と安定をかろうじて担保してきたが、そのいずれも空洞化しつつある。米国はいつ、どのように台湾を防衛するかをあえて明らかにしないことで対中抑止力を構築してきたが、対中タカ派をずらりと擁したトランプ政権はその曖昧さをかなぐり捨て、台湾防衛姿勢を鮮明にする可能性がある。しかし、トランプ自身は中国との貿易取引を有利にするため台湾を材料として使う打算的なトップ外交に打って出る恐れがある。そうなれば、対中抑止力は著しく損なわれる。
米国の中国学者が著した本書は、1943年の満州、台湾、澎湖諸島の中国への返還を決めたカイロ宣言から80年に及ぶ米国、中国、そして国民党政権・台湾の三者の台湾海峡をめぐる戦略と国内政治の歴史を紐解き、現在の危機的状況の本質を解明しようとする意欲作である。
著者は言葉を慎重に選びながらも、米国が・・・
米国の台湾に対する「戦略的曖昧さ」、中国の「戦略的忍耐」、そして台湾の独立不宣言がこれまで台湾の平和と安定をかろうじて担保してきたが、そのいずれも空洞化しつつある。米国はいつ、どのように台湾を防衛するかをあえて明らかにしないことで対中抑止力を構築してきたが、対中タカ派をずらりと擁したトランプ政権はその曖昧さをかなぐり捨て、台湾防衛姿勢を鮮明にする可能性がある。しかし、トランプ自身は中国との貿易取引を有利にするため台湾を材料として使う打算的なトップ外交に打って出る恐れがある。そうなれば、対中抑止力は著しく損なわれる。
米国の中国学者が著した本書は、1943年の満州、台湾、澎湖諸島の中国への返還を決めたカイロ宣言から80年に及ぶ米国、中国、そして国民党政権・台湾の三者の台湾海峡をめぐる戦略と国内政治の歴史を紐解き、現在の危機的状況の本質を解明しようとする意欲作である。
著者は言葉を慎重に選びながらも、米国が・・・









