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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》防衛施設強靱化推進協会

政官財「利権屋」が貪る巨額予算

2025年5月号

 建設業界と官僚組織、政治の世界は切っても切れないほど近い。癒着の構図、いわゆる政官財のトライアングルは長年指摘されてきたが、肥大する防衛予算の陰で業界利権の維持・拡大に向けた動きがまたぞろ出てきた。
 昨年5月、防衛省の天下り団体「一般社団法人防衛施設強靱化推進協会」が発足し、専務理事に元防衛省大臣官房施設監の小栁真樹氏、元同省防衛研究所長の田中聡氏が就任した。会長は大手ゼネコンの飛島建設社長の乘京正弘氏が務め、有力企業幹部8人が理事に名を連ねる。同協会はスーパーゼネコンを含む大手建設会社64社、建設コンサルタント27社、支部会員209社(うち125社が沖縄支部)が加盟している。
 年会費は、完成工事高が1千億円以上の建設会社は360万円、500~1千億円未満が240万円、100億円未満が60万円で、支部会員は3万円となっている。
 政府は2023~27年度の5年間で防衛費を43兆円と見積もり、25年度の防衛関係予算は前年度比9・4%増の8兆70005億円を計上するなど、11年連続で過去最高を更新した。
「これだけ大きな予算をスムーズに執行する・・・

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