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経済

日産とホンダに「復縁」の機運

関税危機で「弱者連合」再燃

2025年6月号

「人が会場に入りきるのか心配になってきた」。日産自動車の総務関係者は今から戦々恐々としている。頭痛のタネになっているのは6月24日に横浜市のグローバル本社で開催予定の定時株主総会だ。
 日産の株主総会はかつて、さながらパーティーだった。権勢を振るった有名経営者のカルロス・ゴーン氏を生で見られることに加え、総会後の懇親会では豪華な食事が味わえたり、運がよければゴーン氏本人と写真を撮る機会さえ得られたりするとあって、個人株主が殺到した。
 コロナ禍前までは日産は株主総会をパシフィコ横浜で開いており、出席者は毎年優に1千人を超えていた。そしてゴーン氏が逮捕された2018年はなんと4千人を超える出席者がいた。だがコロナで参加者は激減。日産も会場を20年の定時株主総会からグローバル本社に移し、出席者はそれ以降、数百人にとどまっている。
 だが今年はそうはいくまい。なにせ本社を置く神奈川県のお膝元で主力2工場の閉鎖話が浮上しているからだ。従業員や地域社会にとって文字通り死活問題で、株主総会には文句を言うために個人株主が殺到する可能性がある。
 日産は今や、大・・・

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