トヨタが秘す「日野」の深刻事情
ダイムラーを欺く「エンジンの闇」
2025年6月号
トヨタ自動車とダイムラートラックが主導する日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合。トヨタとダイムラーが同じ出資比率で持ち株会社を設立し、そこに日野と三菱ふそうを完全子会社としてぶら下げる構想だ。中国勢が台頭する中、実現すれば世界第2位の商用車メーカーにのし上がる経営統合として、市場や業界の注目の的になっている。現在、最終合意に向かって進んでいるというが、ここにきて不安要素を指摘する声が自動車業界から上がっている。その不安要素とは、日野のエンジン開発力の低さだ。
経営統合に向けた基本合意書は2023年5月に締結したものの、24年2月に最終契約の締結が無期限で延期された。原因は日野のエンジン認証不正だ。日本のみならず米国でも認証不正を行っていたことが発覚し、日野が当局から莫大な罰金を科される可能性があると知ったダイムラーが、リスクを恐れてストップをかけたのだ。その後、25年1月に日野は米国当局に12億㌦(当時の為替レートで約1800億円)の制裁金を払って和解。これで禊ぎを済ませたとばかりに、日野の小木曽聡社長は「最終契約に向けて4社で前向きな話を進めている」と胸を張っ・・・
経営統合に向けた基本合意書は2023年5月に締結したものの、24年2月に最終契約の締結が無期限で延期された。原因は日野のエンジン認証不正だ。日本のみならず米国でも認証不正を行っていたことが発覚し、日野が当局から莫大な罰金を科される可能性があると知ったダイムラーが、リスクを恐れてストップをかけたのだ。その後、25年1月に日野は米国当局に12億㌦(当時の為替レートで約1800億円)の制裁金を払って和解。これで禊ぎを済ませたとばかりに、日野の小木曽聡社長は「最終契約に向けて4社で前向きな話を進めている」と胸を張っ・・・