《世界のキーパーソン》アジズ・アハヌッシュ(モロッコ首相)
米不法移民の「受け入れ」を表明
2025年6月号
今年2月、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が訪米して、ドナルド・トランプ大統領と会談した際、住まいを追われたパレスチナ人の「行く先」として、大統領は「ソマリランド、プントランド、モロッコ」という三つの具体的地名を挙げた。大半の米国人にとっては、モロッコも含めて、地球上のどこにあるのか定かではないところだ。
このため、発言は「トランプ流の放言」と見られ、深く追求されなかった。だが、パレスチナ人ばかりではなく、米国に到着する不法移民を、これらの地方や国に送る計画は、大統領が1月に就任して以降、真剣に検討されていた。
ソマリランドとプントランドは、東アフリカのソマリアにある地名だ。そしてモロッコ政府は、大統領発言の時点で、米国にやってくる移民の受け入れ先として、手を挙げていたのである。
モロッコと聞けば、世界遺産のマラケシュや地中海が連想されるが、移民の行き場所はもちろん、そうしたところではない。モロッコ南部の砂漠の無人地域に、着の身着のままで捨てられるのだ。
この計画は、トランプ政権1期目(2017~21年)に持ち上がった。だが、後継・・・
このため、発言は「トランプ流の放言」と見られ、深く追求されなかった。だが、パレスチナ人ばかりではなく、米国に到着する不法移民を、これらの地方や国に送る計画は、大統領が1月に就任して以降、真剣に検討されていた。
ソマリランドとプントランドは、東アフリカのソマリアにある地名だ。そしてモロッコ政府は、大統領発言の時点で、米国にやってくる移民の受け入れ先として、手を挙げていたのである。
モロッコと聞けば、世界遺産のマラケシュや地中海が連想されるが、移民の行き場所はもちろん、そうしたところではない。モロッコ南部の砂漠の無人地域に、着の身着のままで捨てられるのだ。
この計画は、トランプ政権1期目(2017~21年)に持ち上がった。だが、後継・・・