現代音楽は今「大阪」が熱い
万博「会場外」で名演奏続々
2025年6月号
世界初の国際博覧会とされるロンドン万国博覧会が1851年に開催され、1928年のパリで国際博覧会条約が締結されて以降、万博とは「名称のいかんを問わず、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すもの」と定義されている。
音楽に限れば、過去の万博は確かにその進展に重要な展望を与えてきた。
植民地住民が会場で生活し暮らしぶりを来場者に見せる「展示」がされた1889年のパリ万博では、音楽も披露された。仏領インドシナ展示での安南劇や、オランダの民間企業が展示したジャワ村でのガムラン音楽は大人気。作曲家サン=サーンスが植民地音楽を見下す発言をする一方で、ドビュッシーはガムラン音楽に魅入られ「われわれがヨーロッパ的な偏見を捨てて彼らの打楽器の魅力に耳を傾けるならば、われわれの打楽器のごときは、場末のサーカスの野蛮な音にすぎないのに、いやでも気づかなくてはならない」と絶賛。その後の創作に影響を与え、20世紀芸術・・・
音楽に限れば、過去の万博は確かにその進展に重要な展望を与えてきた。
植民地住民が会場で生活し暮らしぶりを来場者に見せる「展示」がされた1889年のパリ万博では、音楽も披露された。仏領インドシナ展示での安南劇や、オランダの民間企業が展示したジャワ村でのガムラン音楽は大人気。作曲家サン=サーンスが植民地音楽を見下す発言をする一方で、ドビュッシーはガムラン音楽に魅入られ「われわれがヨーロッパ的な偏見を捨てて彼らの打楽器の魅力に耳を傾けるならば、われわれの打楽器のごときは、場末のサーカスの野蛮な音にすぎないのに、いやでも気づかなくてはならない」と絶賛。その後の創作に影響を与え、20世紀芸術・・・