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ロシアと北朝鮮 「同盟深化」へ邁進

禁断の「核共同運用」も視野に

2025年8月号

 長期化するロシア・ウクライナ戦争で、北朝鮮軍の存在が停戦の阻害要因になってきた。北朝鮮はロシア領クルスク州奪還作戦への参加に続いて、今夏兵力を追加派遣し、ロシアの「夏季攻勢」に加担する可能性がある。北朝鮮軍の派兵は金正恩総書記のイニシアチブとされ、実戦経験やドローン戦の習得を目的とするようだ。
 ロシア一辺倒外交の金正恩は、ウクライナ戦争をかく乱し、泥沼化させる危険な存在となった。北朝鮮がロシアから得る見返りが大量破壊兵器技術に及べば、東アジアの安全保障に重大な脅威となる。
 北朝鮮東海岸の元山に完成したビーチリゾート施設で7月12日に行われた金正恩とラブロフ・ロシア外相の会談について、日本のメディアは「軍事協力や民間交流を話し合い、相互協力の強化を確認した」(日本経済新聞)などと淡泊な報道だったが、ロシアのSNS・テレグラムの情報チャンネルは会談の内幕に肉薄していた。
 新興の独立系メディア「インサイダー・ブラック」によれば、金正恩は北朝鮮の精鋭特殊部隊をロシアに追加派遣することを約束。その見返りとして、本格的なドローン部隊を北朝鮮に設立するためロシア・・・

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