三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

政治

「高市総裁」でも 自民党は救えない

与党「連立再編」が一層混迷へ

2025年8月号

 参院選で歴史的惨敗を喫した自民党。石破茂首相は投開票日当日に続投の意向を表明したが、昨年の衆院選でも敗北しており早晩、退陣は避けられないのが常識だろう。石破が横浜市で8月20~22日に開かれるアフリカ開発会議(TICAD)までは続けたい意向を示しているのは周知の事実だ。石破退陣を見越して党内の視線の先は、総裁選に向いている。
 ポスト石破は誰か―。当初、衆院に続き参院でも少数与党に転落したショックから、党内から「もはや党総裁=首相ではなくなった」(閣僚経験者)と悲観論が渦巻いた。そこで浮上したのが麻生派の鈴木俊一総務会長だ。党内融和を求めて、岸田文雄前首相が麻生太郎最高顧問に提案したのが始まりだ。
 鈴木は温厚な人柄で知られる。「和の政治」を掲げた父の善幸元首相が当時の大平正芳首相の急死に伴う緊急事態に担ぎ出された例に倣おうというわけだ。
 父と違い首相の座に就くというわけではない。党内がイメージするのは、自民党が少数の時に社会党の村山富市委員長を首相に担いだ「自社さ連立政権」だ。村山の代わりとなるのが参院選で躍進した国民民主党の玉木雄一郎代表。鈴木は当・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます