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経済

米国株式「下半期」の読み筋

好調の風向きはいつ変わるか

2025年8月号

  トランプ政権の発足とともにはじまった「米国例外主義の崩壊(ドル安)」が皮肉にも今の相場を支えている。株式市場は4月の関税ショックを乗り越え「TACO(Trump Always Ch
ickens Out:トランプはいつも腰抜け)」取引が常態化した。つまり、株価が下がるような大統領の強硬な言動を市場は無視してリスクを取ってきた。一方で、株価収益率(PER)は22倍を超え、再び年始の水準に戻り、警戒すべきバブル水準が続く。上半期を振り返り、年後半相場にどう臨むべきかを考えたい。

今秋の懸念は「関税インフレ」

 投資家がまず認識しておく必要があるのは「ドルの下落」だ。ドル指数の下落率は10・5%に達した。上半期に限定すればスミソニアン協定体制の崩壊した1973年の上半期以来の悪い記録となっている。
 一方で、「金(ゴールド)」は上半期として2007年以来の上昇率となった。端的に言えば「ドルの価値が下がっただけの半年」だった。
 米国株のセクター動向を見ていこう。米国株の1・・・

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