祝意なきセブン&アイ「買収撤退」
外資の攻撃はさらに強まる
2025年8月号
セブン&アイ・ホールディングス(HD)に同意なき買収提案をしていたカナダの小売り大手、アリマンタシォン・クシュタール(ACT)が、買収提案を撤回した。海外企業による日本企業買収で過去最大になるかもしれない案件は突然、姿を消した。ただ額面通りに受け取るのは危険だ。これは単なる隠れ蓑戦術かもしれない。
「本当に喜んでいいのか」。セブン&アイ関係者まで面食らった撤退発表。理由についてACT側は、セブン&アイがこれまで建設的な協議に応じず、拒否という結論ありきの対応に終始したからだと大批判を繰り広げた。
ACTのリリースを見ると、セブン&アイはミーティングでも書面を「読み上げただけ」とそのやる気のなさを指摘。またセブン&アイのスティーブン・ヘイズ・デイカス社長は、ACTの質問に真摯に対応しようとした役員の発言を遮り「叱責」までしたという。
いかにもかつての日本的大企業にありがちな対応策だが、「買収阻止を主眼としていれば、こうした牛歩戦術は常套手段」(M&Aに詳しい投資銀行関係者)。後に批判されることは承知の上で、セブン&アイは牛歩戦術をとったのかもしれない。・・・
「本当に喜んでいいのか」。セブン&アイ関係者まで面食らった撤退発表。理由についてACT側は、セブン&アイがこれまで建設的な協議に応じず、拒否という結論ありきの対応に終始したからだと大批判を繰り広げた。
ACTのリリースを見ると、セブン&アイはミーティングでも書面を「読み上げただけ」とそのやる気のなさを指摘。またセブン&アイのスティーブン・ヘイズ・デイカス社長は、ACTの質問に真摯に対応しようとした役員の発言を遮り「叱責」までしたという。
いかにもかつての日本的大企業にありがちな対応策だが、「買収阻止を主眼としていれば、こうした牛歩戦術は常套手段」(M&Aに詳しい投資銀行関係者)。後に批判されることは承知の上で、セブン&アイは牛歩戦術をとったのかもしれない。・・・