「ポスト石破」政局は久々の大活劇に
《政界スキャン》
2025年8月号
参院選の大敗後、強気にも続投を表明した石破茂首相だったが、最大の理由に挙げた日米関税交渉の妥結で、むしろ退陣をせかされる羽目になった。焦点は辞めるタイミングに移る。次期首相選びと自公体制の立て直し、新たな連立の組み合わせを巡り、政界再編含みの政局が幕を開けた。
勝負をかけた続投表明後、石破氏には誤算が重なった。一つはトランプ米大統領の焦り。米国内で少女人身売買事件との関連を取り沙汰され、関税交渉の遅れに市場が「米国売り」を再燃させる恐れがあり、トランプ氏は合意を急いだフシがある。赤沢亮正経済再生担当相がトランプ氏と会うことが決まったのは参院選投開票の翌日。続投表明の後で、「見通しは五分五分」だった。3カ月越しの交渉妥結は朗報だったが、政局的には最大の支えを失った。
二つ目は報道の先走り。交渉妥結が報じられた直後、複数の新聞は「退陣へ」と特報した。7月23日の毎日新聞夕刊は「来月末までに表明」、読売新聞号外は「月内にも表明」と共に時期も限定。日経新聞電子版「退陣不可避の情勢」と朝日新聞電子版「退陣論、自民党内で強まる」は表現をぼかしたが、辞めるしかないという見立・・・
勝負をかけた続投表明後、石破氏には誤算が重なった。一つはトランプ米大統領の焦り。米国内で少女人身売買事件との関連を取り沙汰され、関税交渉の遅れに市場が「米国売り」を再燃させる恐れがあり、トランプ氏は合意を急いだフシがある。赤沢亮正経済再生担当相がトランプ氏と会うことが決まったのは参院選投開票の翌日。続投表明の後で、「見通しは五分五分」だった。3カ月越しの交渉妥結は朗報だったが、政局的には最大の支えを失った。
二つ目は報道の先走り。交渉妥結が報じられた直後、複数の新聞は「退陣へ」と特報した。7月23日の毎日新聞夕刊は「来月末までに表明」、読売新聞号外は「月内にも表明」と共に時期も限定。日経新聞電子版「退陣不可避の情勢」と朝日新聞電子版「退陣論、自民党内で強まる」は表現をぼかしたが、辞めるしかないという見立・・・