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米韓同盟で進む 「抑止力低下」

朝鮮半島「不安定化」の重大懸念

2025年9月号

 トランプ米大統領は久々に気分が良かったに違いない。8月に会談したロシアのプーチン大統領もウクライナのゼレンスキー大統領も、トランプ氏に面従腹背だった。内外メディアから散々叩かれるなか、8月25日にホワイトハウスにやってきた韓国の李在明大統領との会談は、中身を伴ったものだったからだ。

中朝を誤解させる可能性

 李氏は首脳会談でトランプ氏に「ピースメーカーとしての役割が本当に際立っている」「朝鮮半島にも平和を作ってほしい」と最大限に持ち上げた。そのうえで「金正恩にも会ってほしい」と語り、「北朝鮮にもトランプワールドを建設してほしい」とまで言い切った。トランプ氏も気分が悪いはずがない。北朝鮮の金正恩総書記と年内に会いたい考えを示すと同時に、李氏に向かって「あなたは偉大な指導者」「あなたは米国から完全な支援を受ける」と応じた。
 そんな中、トランプ氏が記者団に「今は言いたくない」と述べるなど、唯一歯切れが悪かった問題がある。在韓米軍の削減を含む「米韓同盟の現代化」だ。
「米韓同盟の現代化」はトラ・・・

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