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西風 532

万博に影落とす「未払い問題」

2025年9月号

 日本列島各地で厳しい暑さが残る中、大阪・関西万博は連日の大入りが続く。入場券の販売枚数は閉幕まで2カ月余りを残した時点で1800万枚を突破。運営費の黒字化の目安としていた数字に到達した。赤字が出れば国、経済界と穴埋めの押し付け合いが待っているだけに、吉村洋文大阪府知事をはじめ大阪府、大阪市には安堵感が広がる。
 ただ、手放しで喜べる状況ではない。8月13日には市中心部と会場を結ぶ大動脈の大阪メトロ中央線が運転を見合わせ、万単位の来場客が会場一帯で一夜を過ごすトラブルが発生。日本国際博覧会協会の不十分な情報提供が混乱を拡大したと非難の声が上がった。加えて次々に明らかになっているのが、海外パビリオンの工事に携わった下請け業者への「未払い」問題。来場者に人気のアメリカ館や中国館の工事で訴えが出ているほか、大阪府警が関係先を家宅捜索する事態になった案件もある。吉村氏は民間同士で解決すべき話だとしてだんまりを決め込むが、万博「成功」の大号令が生んだひずみという側面は否めない。
 最大の要因は、今年4月の開幕までという工期の短さだ。新型コロナウイルス禍明けで国内は大規模開発が・・・