「核兵器使用」へ近づく世界
米露首脳会談で露呈した「絶望」
2025年9月号
8月に米国のアラスカで開かれた米ロ首脳会談で、主要議題のウクライナ問題とともに議論されるべきテーマがあった。核兵器をめぐる軍縮・軍備管理問題だ。米ロ間で唯一残る核軍縮条約、新戦略兵器削減条約(新START)は来年2月に失効するが、欧州の緊張が高まるなか、両国に核軍縮への機運はない。核超大国による新たな核軍拡競争は号砲寸前の状況にある。
対面での米ロ首脳会談は、2021年6月にスイスのジュネーブで行われて以来4年ぶりだった。その際、上空で歓迎飛行したのはB2。核兵器搭載が可能な戦略爆撃機である。
トランプ氏が歓迎の場で、あえて核戦力を誇示したのはなぜか。伏線は、ロシアへの制裁強化を掲げるトランプ氏に対してロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)が投げかけた挑発的な発言にさかのぼる。7月29日、彼はXでこうつぶやいた。
「1、ロシアはイスラエルではなく、ましてやイランでもない。2、(経済制裁の)新たな最後通牒は脅しであり、戦争へのステップになる。それはロシアとウクライナの間ではなく、彼(トランプ氏)自身の国とのものだ」
トランプ氏・・・
対面での米ロ首脳会談は、2021年6月にスイスのジュネーブで行われて以来4年ぶりだった。その際、上空で歓迎飛行したのはB2。核兵器搭載が可能な戦略爆撃機である。
トランプ氏が歓迎の場で、あえて核戦力を誇示したのはなぜか。伏線は、ロシアへの制裁強化を掲げるトランプ氏に対してロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)が投げかけた挑発的な発言にさかのぼる。7月29日、彼はXでこうつぶやいた。
「1、ロシアはイスラエルではなく、ましてやイランでもない。2、(経済制裁の)新たな最後通牒は脅しであり、戦争へのステップになる。それはロシアとウクライナの間ではなく、彼(トランプ氏)自身の国とのものだ」
トランプ氏・・・