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西風 533

新たな頭痛の種「特区民泊」

2025年10月号

 主要駅や中心部が大勢の訪日外国人客であふれ返る大阪市に、新たな頭痛の種が持ち上がっている。国家戦略特区制度に基づく「特区民泊」だ。施設数は今年5月末時点で6300を超え、部屋の数は約1万7千室に上る。全国の施設の約95%に相当し、特区民泊を展開している自治体は実質大阪市だけといっていい状況だ。ここに騒音やごみ問題をはじめとする周辺住民からの苦情が集中し、市が制度の見直しに乗り出さざるを得なくなった。
 大阪市での特区民泊導入は2016年。推し進めたのは、前年まで市長を務めた日本維新の会の創設者、橋下徹氏だった。当時の安倍政権が外国人観光客増加を打ち出していた一方、大阪ではホテルの供給が十分ではなかったため、需要に応えるために飛びついた。肝いり政策として推進した結果、施設が増えた西成区や浪速区では住民とのトラブルが急増。橋下氏は今年8月の民放番組で「僕が旗を振りました。住民の皆さんに申し訳ない」と詫びた。
 他の民泊制度と違って、管理人の常駐が不要なのが特区民泊の特徴。問題が大きくなっているのは、7月の参院選で焦点となった外国人問題とも無縁ではない。
 大・・・