首里城火災 「原因隠蔽」の6年
主犯「天下り財団」に反省ゼロ
2025年10月号
沖縄尚学高校の甲子園優勝で歓喜に沸いた沖縄にはもう一つの願いがある。首里城の再建だ。夜闇を真っ赤に染め、正殿などが全焼した首里城火災から10月31日で6年の歳月が経過しようとしている。そしていま、ようやく火災の真相究明の兆しが出てきた。
防火管理上の過失があったとして管理者責任を問う住民訴訟が那覇地裁で開かれている。
国から管理を任された沖縄県に対し、首里城公園の指定管理者の「一般財団法人沖縄美ら島財団」に、2億円近い損害賠償を請求するよう求め、住民8人が2021年に提訴した。今年8月、地裁に出廷した火災分析の専門家が「出火原因は電源コードのショート以外ありえない」との見方を示し、沖縄県と「美ら島財団」の過失を指摘した。
未だ出火原因が特定されていなかったとは、驚く読者も多かろう。なぜなら沖縄県警と那覇市消防局が「出火原因不明」と早々に結論付けて幕引きを図っていたからだ。
消防局は正殿内で通電状態にあった延長コードと照明器具の電源コードに銅線が溶けた溶融痕が残っていたことから、「何らかの電気的異常」の可能性に言及した。だが、火災原因判定・・・
防火管理上の過失があったとして管理者責任を問う住民訴訟が那覇地裁で開かれている。
国から管理を任された沖縄県に対し、首里城公園の指定管理者の「一般財団法人沖縄美ら島財団」に、2億円近い損害賠償を請求するよう求め、住民8人が2021年に提訴した。今年8月、地裁に出廷した火災分析の専門家が「出火原因は電源コードのショート以外ありえない」との見方を示し、沖縄県と「美ら島財団」の過失を指摘した。
未だ出火原因が特定されていなかったとは、驚く読者も多かろう。なぜなら沖縄県警と那覇市消防局が「出火原因不明」と早々に結論付けて幕引きを図っていたからだ。
消防局は正殿内で通電状態にあった延長コードと照明器具の電源コードに銅線が溶けた溶融痕が残っていたことから、「何らかの電気的異常」の可能性に言及した。だが、火災原因判定・・・