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日本の科学アラカルト 182

ノーベル賞の可能性も十分 水素「人工光合成」光触媒の最先端

2025年10月号

 今年もノーベル賞の季節がやってきた。10月6日の生理学・医学賞を皮切りに、同月13日の経済学賞の発表まで続く。日本では、テレビ番組が文学賞の発表を追う以外は、日本人が受賞すれば大騒ぎし、そうでなければ結果のみを淡々と伝えて終わりだ。
 海外では、受賞についての賛否が巻き起こることも多い。それは、政治色が問題になってきた平和賞や文学賞だけでなく、物理学賞や化学賞など議論の余地のなさそうに見える部門でも同様だ。その研究が本当にノーベル賞に値するのかという批判も出る。本来はスウェーデン王立科学アカデミーなど選考する側が決めたことに、外野がとやかく言う権利はない。しかしノーベル賞が圧倒的権威だからこそ、批判が出るのだ。
 そもそも各賞、毎年1組しか選ばれないため、アカデミアの世界では高い評価を得ていても、存命中に選考メンバーの眼鏡にかなうかは「運」の要素も強い。選考時のはやりにも左右される。
 一方でノーベル賞は、物理学や化学、医学における新しい「発見」だけでなく、「発明」も対象になっている。
 過去には青色発光ダイオードやリチウムイオン電池の成果で、・・・