三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

社会・文化

《日本のサンクチュアリ》経済同友会

「新浪居座り」を許した統治不全団体

2025年10月号

「速やかに『退会勧告』か『除名』処分にすべきだ」。財界首脳OBの一人は声を荒らげる。
 大麻由来成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれている疑いのあるCBD (カンナビジオール)サプリメントの購入を巡り、麻薬取締法違反容疑が浮上し、サントリーホールディングス(HD)会長の電撃辞任へと追い込まれた新浪剛史氏。だが、2023年から務める経済同友会代表幹事の座についてはひとまず辞任を否定。9月3日の記者会見で「潔白」を主張し、トップ続投の適否は「透明性の高い同友会のガバナンス機構に身を委ねる」と開き直った。経済財政諮問会議の民間議員など政府の様々な主要会議における要職に関しても「(処遇を)決めるのは政府」とし、その出処進退の判断を次期政権に“丸投げ”した。
 居座り3羽ガラス―。口さがない財界雀の間ではこんなさえずりも喧しい。静岡県伊東市の田久保眞紀市長、兵庫県の齋藤元彦知事と「同類の輩」というわけだ。
 同友会は大揺れだ。そりゃそうだろう。新浪氏はサントリーHDから「会長としての資質を欠く」との叱責を受けて辞任を迫られた。そ・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます