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政治

高市「麻苗」政権はどう壊れるか

《政界スキャン》

2025年11月号

 首相指名選挙で高市早苗氏が選出された時、衆院本会議場に起きた歓声と拍手をよそに、新首相を囲んで座っていた年配議員たちの表情は不機嫌にこわ張り、素直な祝福とは程遠かった。
「高市早苗クン、237票」
 過半数を4票上回る得票数が読み上げられ、決選投票が回避されると、高市氏は一瞬目を閉じて大きく息をつき、頭を5秒ほど下げ続けた。思わずこみ上げた感涙を見せまいと、伏せた目をしばたいているように見えた。
 起立して前後左右に頭を5回下げる間、目を引いたのは本人よりも、背後に陣取った自民党の元首相3人のバラバラな反応だ。
 口をへの字に閉じ、なぜか険しい表情で殊更大仰に拍手する麻生太郎氏。「俺が政権の新しいキングメーカーだ。この過半数も俺がそろえたんだ」と威厳を示そうとしたのだろうか。威張りたがるのは毎度のことだが、あの表情はそれだけではなかった。
 無表情に虚空を見つめ、高市氏を見もしない菅義偉氏。病気治療の薬のせいとされるが、総裁選で担いだ小泉進次郎氏が敗れ、非主流派に転落して呆然としているようにも見えるから怖い。
 同じく総裁選・・・

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