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西風 534

人気上々「古墳を見る気球」

2025年11月号

 大阪府堺市は10月から、世界文化遺産の仁徳天皇陵古墳(大山古墳)を上空から一望できるガス気球の運航を始めた。ワイヤーでつないだ直径23mの気球が高さ約100mまで上昇し、国内最大の前方後円墳を見渡すことができる。地上から見るだけでは分かりにくい巨大古墳の全体像を体感できるとあって、予約は満杯続き。滑り出しは上々だ。
 市は大山古墳を含む百舌鳥・古市古墳群が世界文化遺産に登録された2019年から実現を目指していたが、相次ぐトラブルに見舞われて計画は「しぼみ」かけていた。大阪・関西万博が閉幕し「万博ロス」に直面する中、新たな観光資源にと意気込む。
 堺市長は大阪維新の会に所属する永藤英機氏。世界文化遺産登録を受けて「古墳の壮大さを生で見てもらえる取り組みを実現したい」と、2020年春頃には気球を運航する方針を表明していた。ところが新型コロナウイルス感染拡大に直面。事故が起きないか、といった住民の不安を解消するための説明会開催や、海外での気球製造に支障が生じた。2022年にはロシアによるウクライナ侵攻を背景に、気球を飛ばすためのヘリウムガスの世界的な供給不足にも直面した・・・