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社会・文化

工業高校生は 今や「ダイヤの卵」

減少一途の中の「人材争奪戦」

2025年12月号

 高度成長時代、各地の中学校や高校を卒業して大都市で集団就職する若者は「金の卵」だった。建設業界関係者はこう語る。
「今の工業高校卒業生は『ダイヤモンドの卵』だ」
 全国的に高校生への求人倍率が高まる中、工業高校はそれを上回る争奪戦になっている。日本のモノづくりの現場にも影響を与えるが、最大の懸案は土木・建築の現場を担う人材の不足だ。各地でインフラの老朽化が進む中、その更新が物理的にできなくなる将来が待ち受ける。さらに、高校無償化という「愚策」によって、事態は深刻化しかねない。

求人倍率は32倍に

 今年9月、仙台市内に本社を置く地場ゼネコン「橋本店」に衝撃が走った。9月5日に解禁された来年4月入社の高卒予定者応募書類受付で、応募がゼロだったのだ。橋本店は宮城県内の総合建設会社の中で、仙建工業に次ぐ売上高2位に位置する企業。1878(明治11)年創業の老舗で、約200人の社員を抱える。大規模工事ではスーパーゼネコンの1次下請けになり、規模によってはジョイント・ベンチャー(JV)として元請け・・・

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