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経済

《クローズ・アップ》田中 健二(ソニー次期社長)

AI時代に「復活の一手」はあるか

2025年12月号

 ソニーグループ傘下のエレクトロニクス事業会社であるソニーの次期社長兼CEOに田中健二・執行役員(59歳)が来年4月1日付で就任する。
 ソニーの祖業ともいえる部門会社だが、スマホのカメラモジュールに使われるイメージセンサー事業やゲーム機事業、映画・音楽などコンテンツ事業、銀行・生保など金融事業の陰に隠れ、売上規模こそ2兆円を超えるものの目立たない雑多な商品を扱う部門になった。零落の流れを逆転するか、撤退の殿役を担うのか、田中新社長は前に進むも、後ろに下がるも苦難が待っている。
 十時裕樹氏が社長兼CEOを務める統括会社のソニーグループは、製造・コンテンツの部門会社を多数抱える一方、金融事業のソニーフィナンシャルグループ(SFGI)はスピンオフし、東京証券取引所プライム市場に分離上場、SFGI株を既存のソニー株主に分配した。ソニーの祖業とかけ離れ、シナジーのない部門を親子上場の批判を避けながら独立させた形だ。ただ、残った事業にも強い遠心力が働き、祖業のエレクトロニクスからどんどん離れつつある。
 エレクトロニクス事業の主戦場であるカラーテレビ、スマホ、デジ・・・

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