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ポスト・プーチン「新候補」の正体

囁かれる停戦後「退陣説」

2026年1月号

 2025年10月13日、モスクワのラディソン・ホテルで、ドミトリー・パトルシェフ・ロシア副首相の48歳の誕生日を祝うレセプションが開かれ、閣僚や政府高官、情報機関幹部、有力オリガルヒらエリートが一堂に会した。ロシアでは要人の誕生日を盛大に祝う習慣がある。
 ロシアのSNS・テレグラムで発信する独立系情報チャンネル「SVR(対外情報庁)将軍」は、「祝賀会は翌日も開かれ、権力者らはこぞって彼を祝福した。その数は10月7日にプーチン大統領を祝福した者よりもはるかに多かった。政権移行が近づき、誰もが将来の大統領に気に入られようと躍起だ」「彼が大統領になれば、ロシアは良い方向に変わるだろう」とし、副首相を「プーチンの後継者」と称した。
 ドミトリー・パトルシェフは、事実上の政権ナンバー2で強硬派、ニコライ・パトルシェフ大統領補佐官(前安保会議書記)の長男というサラブレッドだ。銀行家出身で、24年農業相から副首相に昇格した。プーチンに批判的な「SVR将軍」はパトルシェフ系列といわれるが、報道統制下でこの種の情報は異例だ。「プーチン退陣、パトルシェフ後継」の可能性はあるのだろう・・・

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