中国の製造業現場で、「ダーク・ファクトリー（暗闇工場）」が急速に増えている。
　自動化・ロボット化を徹底した結果、人間を必要としなくなったもので、機械には灯りがいらないから工場内は真っ暗というわけだ。
　昼夜を問わずにいつでも稼働できるとあって、現在でもすでに工業製品の「供給過剰」の状態が、さらに悪化することが懸念されている。「暴走」とも言える中国経済のいびつな進化は、ますます世界経済の心配の種になっている。

暗闇で休みなく続く製造

　シャオミ（小米）の共同創業者、雷軍会長のプレゼンテーション映像は、常に印象的だ。このごろは新製品ばかりでなく、製造工場の中も案内する。雷会長が最近自慢するのは、北京市昌平区に２０２４年にオープンしたスマートフォン工場である。
「あなたがご覧になっているのは、シャオミ・ハイパーＩＭＰです」。雷会長はこんなふうに北京市の新工場を紹介した。
　ＩＭＰとは、インテリジェント・マニュファクチャリング・プラットフォームの頭文字をとったものだ。あえて・・・