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米「新メディア王」 エリソン家の猛威

膨張する「親トランプ言論圏」

2026年1月号

 米オラクル創業者のラリー・エリソン氏を総帥とするエリソン家が、米国で「新メディア王」として存在感を高めている。相次ぐ買収により、「地上波」「ケーブルテレビ」「ソーシャルメディア」という三つの言論プラットフォームを掌握する可能性が浮上してきた。トランプ大統領と昵懇の仲のエリソン家が主導する「親トランプ言論圏」の台頭は、2026年11月の中間選挙に影響を及ぼす危険がある。
 現在、米メディア業界の最大の関心事は、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)売却の行方だ。米動画配信大手ネットフリックスによる買収で合意したが、米メディア大手パラマウント・スカイダンスが敵対的買収案を提示し、真っ向から対抗する構図となった。パラマウント・スカイダンスのCEOを務めるのは、ラリー氏の息子、デービッド・エリソン氏だ。
 パラマウント・スカイダンスは25年8月、デービッド氏が運営してきた映画制作の新興企業スカイダンス・メディアが、100年以上の歴史を持つ老舗スタジオのパラマウント・グローバルと合併して誕生した。この「小が大をのむ」買収を支えたのは、世界有数の富豪である父ラリー氏の・・・

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