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日本の科学アラカルト 185

電気自動車の欠点を潰せるか 「全固体電池」の内部挙動を巡る研究

2026年1月号

 欧州連合(EU)が、エンジン車の新車販売について2035年以降も認めることになった。「全面禁止」とした路線からの大きな方針転換だが、理由は複合的だ。電気自動車(EV)の普及が想像以上に進まないことに加え、中国メーカーによる侵食にも怯えている。普及を阻んでいる原因も多岐にわたるが、「高価で不便」というところに収斂する。各国が補助金を打ち切った途端に売り上げは鈍化。また、航続距離の頭打ちと長い充電時間というEVのネックは今もある。いくらメーカーが「急速充電」と謳っても、ガソリンの補給と比較できないほど時間がかかる。
 こうした点などを総合的に考えてEUは方針転換したが、ネットで騒がれているように、「日本のエンジン車メーカーが正しかった」という単純な話ではない。EUでは今後、車体に使われる鉄や、使用燃料について制限をもうける。また、走行時の二酸化炭素排出量についても、35年にゼロ(21年比)にするという数字を、10%にしただけだ。要は90%削減という高いハードルが依然として残っているのだ。これをクリアするためには、今後もEVや水素燃料電池車といった、走行時に二酸化炭素を出さないク・・・