三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

なし

西風 536

高知~東京「夜行バス」の未来

2026年1月号

 長時間座ったままでの移動を余儀なくされるため、安価ながら敬遠されがちだった高速バスの常識が変わるかもしれない。高知駅前観光(高知市)が2025年12月から定期運行を始めた夜行バス「フラットン」。国内で初めて「ベッド型」座席を備えた高速バスで、寝ながら移動できると試験運行段階から話題に。自動運転が普及すればベッド型の需要はさらに高まるとみて、座席を他のバス会社向けに部品として販売する予定だ。
 高速バスは1列4人のシートを3人分に減らしてスペースを確保したり、フラットに近い角度まで倒せる座席を導入したりと、長時間移動のストレスを減らす工夫が進んではいる。とはいえ高知から東京までの所要時間はおよそ13時間。「安いのはいいけど疲れる」という課題はついて回った。
「寝台」だと保安基準上の座席とは認められないため、過去にも導入を模索しながら実現しなかった例もあるとされる。海外では普及している状況もあった。高知駅前観光は法令上の課題を整理し、寝台ではなく「倒せる座席」ならクリアできるとのお墨付きを得た。
 開発した座席は、フランス語で熟睡を意味する「ソメイユプロフォ・・・