Book Reviewing Globe 501
「西側」の復権はあり得るか
2026年2月号
トランプ政権の西半球主義は、米国の戦後の外交政策と対外構想を根底から覆す可能性を秘めている。中でもそれが「西側(the West)」という戦略概念の放棄につながるかどうか。
米国が西半球の超大国にとどまるのではなく「西側」の一員、さらにはリーダーとして欧州と理念と戦略的利害を共有し、世界秩序を形成していくとの対外構想は、ウィルソン大統領の第1次世界大戦参戦によって輪郭を表したが、国際連盟加盟をめぐって米議会共和党が反対し、挫折した。
それが実を結んだのは、ルーズベルト(FDR)大統領による大西洋憲章と第2次世界大戦参戦であり、さらには戦後のトルーマン大統領によるマーシャルプランとNATO(北大西洋条約機構)の設立だった。米国の対欧州関与は、「西側」へと拡大し、根を下ろした。それは「自由で開かれた国際秩序(リベラル・インターナショナル・オーダー)」の原型となった。
今世紀に入ったあたりから、「西側」にひびが入り始めた。ブッシュ政権のイラク戦争をめぐっては米独が激しく緊張した。
しかし、「西側」が内側からほころび始めた背景には、米国の国内政・・・
米国が西半球の超大国にとどまるのではなく「西側」の一員、さらにはリーダーとして欧州と理念と戦略的利害を共有し、世界秩序を形成していくとの対外構想は、ウィルソン大統領の第1次世界大戦参戦によって輪郭を表したが、国際連盟加盟をめぐって米議会共和党が反対し、挫折した。
それが実を結んだのは、ルーズベルト(FDR)大統領による大西洋憲章と第2次世界大戦参戦であり、さらには戦後のトルーマン大統領によるマーシャルプランとNATO(北大西洋条約機構)の設立だった。米国の対欧州関与は、「西側」へと拡大し、根を下ろした。それは「自由で開かれた国際秩序(リベラル・インターナショナル・オーダー)」の原型となった。
今世紀に入ったあたりから、「西側」にひびが入り始めた。ブッシュ政権のイラク戦争をめぐっては米独が激しく緊張した。
しかし、「西側」が内側からほころび始めた背景には、米国の国内政・・・









